ペアリング(結婚指輪・婚約指輪)の手作り体験 | ついぶ名古屋工房

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知っておきたい「金属アレルギー」のこと

長かった梅雨がようやくあけて、本格的な夏がやってきましたね!

8月は帰省や旅行が多い季節。

久しぶりに会えたお友達や遠距離の恋人と指輪を作って、夏の想い出づくりをしてみませんか?

地元名古屋に戻られるかたも、名古屋にご旅行に来られるかたも、この機会に是非ご検討ください。

外は猛暑でも、店内は涼しいですよ~(^_-)-☆

 

さて今回は、汗をかく夏に起きやすい金属トラブルについてお伝えします。

 

金属アレルギー

 

「金属アレルギー」とは?

「金属アレルギー」は、金属が原因で皮膚などに異常が起こるアレルギー反応のこと。

特定の金属を身に着けると触れている部分に赤みやかゆみが出たり、ひどくなると皮膚がただれて痛みが出ることもあります。

当店のお客様でも、金属アレルギーにお悩みのかたが時々いらっしゃいます。

 

ただ金属アレルギーのかたご本人でも、金属アレルギーについてよくご存じなかったり間違った認識をされているかたが多いのが現状です。

正しい知識があれば金属アレルギーでもアクセサリーを身に着けることが可能な場合も多いので、お悩みの方は是非下記をご覧ください(^_-)-☆

 

アレルギーが起きる原因

金属アレルギーの原因は、人体の「免疫反応」によるものです。

金属を身に着けた状態で汗をかくと、汗に含まれる塩酸と大気中に含まれる窒素酸化物が結合して、強力な酸性の物質が出来上がります。

身に着けた金属が酸性の物質によって(ごく少量ながら)溶けだし、金属がイオン化します。

そのイオン化した金属によって人体のたんぱく質が変質し、それを体が「異物だ!」と感知して免疫反応およびアレルギー反応が起こるのです。

なので通常は、汗をかきやすい人の方が金属アレルギーが起きやすいと言われています。

 

全ての金属に対してアレルギー反応が出るわけではない

金属アレルギーのかたに多い認識が、

「自分は金属アレルギーなので、アクセサリーや金属類は一切身につけられない」

ということ。

非常によく聞くご意見ですが、これ間違いです!!(重要)

 

金属アレルギーは通常特定の一種類~数種類の金属に反応を示すもので、どの金属に反応が出るかは人によって異なります

「地球上全ての金属にアレルギーが起きる」というかたはまずいらっしゃいません。

(※一部を除いたほぼ全ての金属に反応する、というかたは稀にいらっしゃいます)

 

アレルギーが起きやすい金属

 

金属の種類によって、アレルギーの起きやすさはかなり大きく変わります。

もっとも金属アレルギーが起きやすい金属は、ニッケルやクロム。

ニッケルはメッキの下地に使われることが多く、市販の安い価格で販売されているアクセサリーの多くが真鍮(5円玉の原料で変色しやすい金属)にニッケル下地を含めたメッキをかけたものなのです。ちなみにステンレスにもニッケルが含まれています。

実際金属アレルギーを訴えるかたは、このニッケルに反応するかたが大半を占めています

 

高価なアクセサリーの材料として一般的なのが、プラチナ・金・銀など。

実はこれら3つの金属は、かなりアレルギーが起こりにくい素材なんです!

「金属アレルギーなので指輪は無理だと思ってたけど、銀(もしくは金やプラチナ)なら大丈夫だった!」

当店に来られる金属アレルギーのお客様のほとんどがこのパターンですので、金属はすべて無理という思い込みは損かもしれませんよ。

 

ただし、これらの高級素材でもアレルギーが起きるかたは少数ながらいらっしゃいます。

その原因の多くを占めるのが合金の割金(わりがね)です。

100%の純金や純銀・純プラチナは非常に柔らかく強度が弱いため、アクセサリーには向きません

なので数%他の金属を混ぜて強化している場合がほとんどです。

(例えば18金は24分の18、つまり75%が純金。25%は銀や銅など他の金属。)

その数%に使われている金属に、アレルギー反応が起きやすいものが混ざっていることがあるのです。

 

 

「パッチテスト」で原因金属を調べるのが解決への近道

じゃあ自分はどの金属に反応するのか、どうやって知ればいいの?というかたへ。

一番確実なのは、皮膚科などの病院で金属アレルギーの「パッチテスト」を受けることです。

金属を含んだ試薬を数種類肌に貼って4日~一週間ほど過ごし、アレルギー反応が出るかどうかを調べるもの。

自分はどの金属にアレルギー反応が起きるのかほぼ確実にわかるため、その金属を避ければ金属アレルギーを回避することができます。

 

しかし確実な方法にもかかわらず、金属アレルギーの自覚はあってもパッチテストを受けたことが無いという人がほとんどなのが現状です。

面倒くさいかもしれませんが、結婚指輪や婚約指輪で数万円の指輪を作ってからアレルギーが出ると、せっかくの指輪が使えなくなってしまします(:_;)

そうならないためにも、アレルギーの自覚があるかたや不安なかたは積極的に検査を受けることをおススメします!

パッチテストの費用は意外とお手軽。保険が適用されるので検査費は 1,080円ほどです。(医院によって異なります。別途初診料、再診料がかかります。)

 

なお、ここでも上記の「割金」に気を付けてください。

商品説明には載っていなくても、割金としてアレルギー源の金属が入っていることがあります

指輪の場合はメッキ製品やステンレスには「ニッケル」が、ピンクゴールドやイエローゴールドには「銅」が、プラチナやホワイトゴールドには「パラジウム」がほとんどの場合含まれています。

なのでそれらのアレルギーを持つかたは、お店の人に相談して金属の配合を確認してみてくださいね。

 

結論として、金属アレルギーでも指輪は作れる?着けられる?

 

結論から申し上げますと、もちろん作れますし着けられます。

金属アレルギーのうち大半の人がニッケルアレルギーなので、メッキを施さないついぶの指輪は比較的アレルギーが起きにくくあります。

実際金属アレルギーを自覚されるお客様が制作された場合でも、当店でお作り頂いた指輪でアレルギー反応が出たという報告はかなり少ないです。

ただ、すべてのかたにアレルギーが起きないとは限らないので、心配な人はやはりきちんと調べるのが確実です。

 

パッチテストでほぼすべての金属に反応が出てしまった場合は、チタンやタンタルなどの極めてアレルギーが出にくいレアメタルで指輪を制作している工房も少数ながらあるので、そちらを探してみてください。

(※ちなみにこれらの金属はとても固く手加工には不向きな性質ですので、当店ではお取り扱いしていません。)

 

また指輪と皮膚の間の洗剤残り(食器洗い洗剤やシャンプーなど)による手荒れやかぶれを、金属アレルギーと勘違いしておられるかたも時々いらっしゃいます。

皮膚が弱い体質のかたは、時々指輪を外して指を洗ったり指輪を柔らかい布でふいたりしてケアしてくださいね。

 

 

指輪は恋人たちにとって特別なアクセサリーであり、特にご結婚指輪は一生に関わるもの。

アレルギーが不安なかたは、しっかり調べてご納得の上で、ご自分に合った金属を使って指輪作りを楽しんでくださいね!(^^)/